「志を鼓舞する」
その名に込められた願いは、
時の梅原元平校長先生の
深い想いから生まれた。
困難にくじけることなく、
力強く前へ進もうとする気概。
それこそが、
この像に託された魂である。
二体の像は、
人間の心の二面を
静かに語りかける。
遠く彼方を見つめる立像は、
揺るぎない希望の象徴。
俯き、下を向く像は、
恩師や友、家族を失った
深い悲しみを湛えている。
光と影、希望と哀しみ
相反するかに見える感情が、
ここでは一つの真実として
結ばれている。
昭和三十三年九月二十六日。
狩野川台風という
未曽有の試練が修中を襲った。
校舎は流され、尊い命が奪われた。
しかし、
その絶望の淵から立ち上がった
修中生たちにとって、この像は
単なる記念碑ではなかった。
「苦難を乗り越え、
団結して未来を切り拓く」
その不屈の決意を形にした、
魂の証であった。
生徒たちは朝夕、
この像を仰ぎ見た。
そこに自らの志を重ね、
新たな歩みを始めた。
学びに、部活動に、
そして人生に向かって。
地域の人々もまた、
この像に修中の誇りを見出し、
青春の象徴として心に刻んだ。
七十八年という歳月が流れ、
多くの卒業生がこの像の前を
通り過ぎていった。
それぞれの心に、
それぞれの思い出を残しながら。
今もなお、
志鼓の像は静かに佇み、
過ぎ去った日々と、
これから来る未来とを
見つめ続けている。
修善寺中学校の歴史とともに
歩んできた記念碑的存在として、
この像は語り継がれていくだろう。
困難を乗り越える勇気と、
仲間への深い愛情とを胸に秘めた、
修中生の心の故郷として。
伊豆箱根鉄道株式会社(本社:静岡県三島市、代表取締役社長:伍堂 文康)は、修善寺中学校閉校準備会(実行委員長:水谷 隆一)と共同し、修善寺駅の出発予告音を一部の時間帯のみ「伊豆市立修善寺中学校(住所:静岡県伊豆市、校長:宮崎克久通称:修中)」の校歌に変更いたします。
2025年4月に予定されている「伊豆市立伊豆中学校」の開校に伴い、2025年3月31日に同校は閉校となります。同駅は同校の最寄り駅であり、同駅開業(開業日:1924年8月1日)と旧修善寺町町制施行(町制施行日:1924年8月30日)が本年ともに100周年を迎える縁があります。
当社として、同校の校歌を出発予告音として使用することにより、同校の生徒および卒業生が同駅を利用する際に、母校や青春時代に思いを馳せていただければと思います。
2024年8月27日 伊豆箱根鉄道 ㈱ NEWS RELEASE